街中での出会い
木曜日の夕方、日本で言うと表参道のような、人通りは少なめですが、おしゃれなカフェなどもあり観光客も多い通りを歩いていました。
私の10メートルほど前には、胸くらいまであるだろうブロンドの髪を二つに結び、ピンクのリボンをつけた人がいました。ピンクのリュックサックを背負い、白いTシャツ、白いスニーカーにソックス、テニスのスコートのような白いミニスカートをはいていました。
後ろを歩きながら感じた事
その姿を見て、「結構足が太いのにミニスカートをはくのは勇気があるな。日本人だったら絶対隠すだろうな」と酷いことを考えていました。それにしても背が高い。175センチは超えている。
その彼女がふと横を見たときに、顎ひげが生えているのがわかり、彼女はトランスジェンダーの方だと気づきました。
どちらかというと、髭を生やした20代のガタイのいい男性が、女装しているというイメージでしょうか?
同じ方向に行くのでしばらく、一緒に後ろを歩くことに・・
トランスジェンダーの存在と街の反応
このあたりでは、身長180センチはある赤いミニスカートにハイヒール、帽子をかぶったトランスジェンダーの名物ツアーガイドさん(多分ですが)をよく見かけます。 割と身近な存在なので、お見掛けしても驚きませんが、とても目立っている事だけは間違いない。
トランスジェンダーさんは、時折電子タバコを吸いながらまっすぐ歩いていきます 。カフェのテラス席に座っている観光客と思える女性たちは、彼女が通り過ぎた瞬間に、彼女の方を振り返りコソコソと話し始めました。
この街には本当にいろんな人がいるので、私は特に驚きはしませんが、観光客の人にとっては奇妙に映るのかもしれません。
他人には興味がないのか、慣れているのかトランスジェンダーさんとすれ違う地元民も特に驚いた様子でジロジロと見ることも無い。 ちょっと暑いと上半身裸になる人や、一見普通の大人なのになぜか裸足で歩く人など変わった人はいくらでもいる。
顔にまでタトゥーを入れている全身タトゥーさんなども多いし、そっちの方がよほどインパクトがあり目立つかなと思いました。
子供たちの無邪気な質問
すれ違った四歳ぐらいの子供たちはお母さんに「ね、あれなに? 何?」と振り返りトランスジェンダーさんの方を指さして質問していました。
お母さんは「いいの、もう見ないの、いいから」と子供に言い放ち、子供の手を引っ張っていました。
髭の生えているけど、おさげ髪にピンクのリボン、服装はミニスカートは超インパクトがあり、子供の思考回路はどう、受け止めていいのかわからなくなったのだろう。
子供は時として本当に残酷な生き物になる、と実感しました。
スコットランドの新しいヘイトクライム法
スコットランドでは、今年の四月(不確かですが)に新しいヘイトクライム法が導入されました。
この法律は、憎悪を煽る行為を禁止し、年齢、障害、性的指向、宗教などの特徴に基づく差別を防ぐことを目的としています。
ですが施行後、警察には大量の苦情が寄せられ、処理が追いつかない状況となっています。J.K.ローリングは、この法律が言論の自由を脅かす危険性を指摘しています。
J.K.ローリング氏の反応
ハリーポッターの作者であるJ.K.ローリングは、旧ツイッターにトランスジェンダーと称して女性に対するレイプなどの犯罪を犯した人物の画像付きの投稿をし、この法律に対する反対意見を表明しました。
彼女は自身がシングルマザーで、色々な女性団体を支持していることもあり、「LGBTQ+の権利ばかりが守られ、人口の半分もいる女性の権利が軽視されている」といった内容の発信もしたことがあり、物議を読んでいました。
ローリング氏の意図は、”新しいヘイトクライム法は言論の自由を脅かすものである”と警告すること。
彼女は、この法律が不適切に運用されると、犯罪者が自身のトランスジェンダーアイデンティティを利用して特別扱いを受ける可能性があると危惧しているのです。
トランスジェンダーと共存する社会の難しさ
道中若い男性のグループに合うことはありませんでしたが、過激な人、人種差別をする人は間違いなくいる。
時と場所によっては、前を歩くトランスジェンダーさんが襲われたりなど事件に巻き込まれる可能性はとても高い。
残念ながら、私の前を歩くトランスジェンダーさんは、心が女性なのか、体も女性なのか、ただ女装が好きな男性なのか、見ただけでは判断がつきません。 今、この人が女湯にいたら私はそこに入らないと思います。
ですが、もしそこにいるのが、私が心も女性と認識しているはるな愛さん(性別適合手術を受けている)だったら、私は何も気にせずに一緒に入浴し、「今後のご活躍も楽しみにしています。」ぐらい言うと思う。
どんな人でも尊重され、平等に幸せに生活する権利があります。
それでも、やはりいろいろ難しいな、とトランスジェンダーさんの後ろを歩きながら改めて考えてしまいました。
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