九州初の歴史的な一歩
2025年7月、公立大学法人福岡女子大学が発表したニュースは、LGBTQ+コミュニティにとって大きな希望の光となりました。2029年度から、戸籍上は男性であっても性自認が女性であるトランスジェンダーの学生を正式に受け入れることが決定されました。これは九州の女子大学としては初の試みであり、全国的にも注目されています。
🏫背景と決定までのプロセス
福岡女子大学は、性の多様性を尊重する姿勢を明確にし、2022年5月に教職員による「受入検討チーム」を設置。翌年には外部専門家も加えた「受入検討委員会」を立ち上げ、学生との意見交換や研修を重ねてきました。その結果、2025年3月に正式決定が下され、2028年度に受験、2029年度に入学する学生から受け入れが始まります。
🏠全寮制の課題と対応
福岡女子大学は1年次に全寮制を義務付けており、これがトランスジェンダー学生の受け入れにおいて大きな課題となっていました。現在、学生は4人1組で個室付きの4LDKをルームシェアする形で生活していますが、トランスジェンダー学生については、隣接する建物に個室を整備する方針が示されました。
学生からは「寮生活に不安がある」との声も寄せられましたが、大学側は丁寧に説明を行い、安心して生活できる環境づくりを進めています。 今後はトイレの整備や相談体制の構築なども含め、2026年秋には受け入れガイドラインや出願資格の詳細が公表される予定です。
🎓建学100年を超えて、すべての「女性」に学びの扉を
福岡女子大学は1923年に日本初の公立女子専門学校として創設されました。向井剛学長は「建学から100年を経て、性の多様なあり方が社会に受け入れられつつある」と述べ、「志あるすべての女性に学びの扉を等しく開いていくことは、一つの使命だと考える」とコメントしています。
🗾全国の女子大学で広がる受け入れの動き
トランスジェンダー女性の受け入れは、2018年にお茶の水女子大学、2019年に奈良女子大学が表明しており(受け入れ実績は不明)、福岡女子大学の決定はその流れを九州にも広げるものです。 性自認に基づいた教育機会の平等が、少しずつ現実のものとなりつつあります。
【参考】
福岡女子大学サイト 2029年度入学(2028年度受験)から、トランスジェンダー学生を受け入れます
プレスリリース
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